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研究試薬開発

ペルセウスが世界で唯一全48種類を取り揃えている核内受容体抗体を、世界の核内受容体研究者へ向けて研究用試薬として販売しています。

核内受容体 論文紹介 1

2006年10月1日

You LR, et al.
Mouse lacking COUP-TFII as an animal model of Bochdalek-type congenital diaphragmatic hernia.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2005 Nov 8;102(45):16351-6. Epub 2005 Oct 26. PMID: 16251273

横隔膜形成におけるCOUP-TFIIの重要性

先天性横隔膜ヘルニア(Congenital diaphragmatic hernia: CDH) は出生児約3,000人に1人の割合で発症する横隔膜の先天性欠損症であり、死亡率は約50%前後で、最も救命困難な新生児外科疾患であることが知られています。本病態については古くより知られておりましたが、病態発症の機序についてはほとんど明らかにされておりません。本論文では、組織特異的な核内受容体COUP-TFII欠損マウスがBochdalek孔ヘルニアと類似した病態を示すことを報告しています。
COUP-TFIIはリガンド未知のオーファン受容体で、発生の段階において横隔膜形成に関わる領域に発現しております。Post-hepatic mesenchymal plate (PHMP)を含む前腸間充織におけるCOUP-TFIIの発現をNkx3.2 Creリコンビナーゼを用いて欠損させたマウスでは体壁とPHMPとの適切な連結ができずに先天的な横隔膜の奇形を生じることが示されています。その結果、胃および肝臓が胸腔内に入り込み、胚の発育不全が生じて新生児死亡に至ることが明らかになりました。また、CDHを示したマウスは全て左側の横隔膜の異常を示しており、Bochdalek孔ヘルニアと類似した病態でした。最近、Comparative Genomic Hybridization (CGH)アレイおよびFluorescence In Situ Hybridization (FISH)分析の結果よりCDHの最小欠失領域として染色体15q26.1-26.2が特定されています。この領域には4つの遺伝子が含まれており、その一つがCOUP-TFIIであることが示されております。本論文の結果は、COUP-TFIIが第15番染色体の欠失を伴うCDHの発症に関与していること、また、Bochdalek孔ヘルニアの原因遺伝子であることを示唆するものであります。