みなさんこんにちは。社長の横川です。
今回は、当社が導出を進めているPPMX-T002への理解を深めていただくため、放射性医薬品の現状と課題について要点を絞ってご紹介します。
ポイントは、(1) 放射性医薬品は診断と治療の両面で役割があること、(2) 治療ではβ線に加え、α線を用いる治療も研究・開発が進んでいること、(3) 一方でRI供給など実装面の課題があることの3点です。
本テーマは内容が多岐にわたるため、今回は2回に分けてお届けします。
みなさんは、健康診断や病院で胸部レントゲン検査を受けたことがあるかもしれません。胸部レントゲンは、
体の外からX線を使って肺や心臓の様子を画像として確認する、私たちにとって身近な検査のひとつです。一方で、放射線を使う医療には、胸部レントゲンのような「体の外からの撮影」や、患部へ外から放射線をあてて治療する「放射線治療」だけでなく、
体内に投与した薬剤を通じて病気を見つけたり、治療したりする方法もあります。これが、放射性同位体(RI)を用いた「放射性医薬品」です。
放射性医薬品は、診断と治療の両面で用いられています。
1. 使用目的別の分類
放射性医薬品は、用途の観点から大きく診断用と治療用に分けられます。ひとつが『診断用放射性医薬品』です。体内に投与し、PET
*などの装置で、体内から出る放射線を画像化します。病変(がん、認知症、心疾患など)の早期発見などを目的として、主に画像化に適した放射線を微量用います。
もうひとつが『治療用放射性医薬品』です。病変部位に集積し、飛程距離が短くエネルギーの高い放射線(α線やβ線)を放出して、がん細胞を選択的に攻撃する治療用放射性医薬品であり、この治療法は内用療法と呼ばれます。
2. 分子構造別の分類と特徴
放射性医薬品は、RIだけでなく、キャリアの設計によって薬効や安全性の特性が変わります。
3. 放射性医薬品の強みと制約
強み
・低侵襲:手術せずに診断や治療ができる。
・標的性:標的への集積を利用し、正常組織への影響の低減が期待される。
・機能評価:単なる形(CT/MRI)ではなく、代謝機能など「生きた情報」が得られる。
制約
・半減期の制約:放射能は時間とともに減衰するため、製造から使用までの時間制限が厳しい。
・廃棄物管理:使用後の排泄物や器材の処理には、専用の管理体制や設備が必要となる場合がある。
放射性医薬品は、用途や構造によって特徴が異なることをご理解いただけたのではないでしょうか。
当社のPPMX-T002は、RIとして
225Acを用い、固形がんの表面抗原CDH3に結合する抗体をキャリアとして設計した、治療用放射性医薬品の開発候補です。
皆さまには、引き続き当社へのご理解・ご支援をよろしくお願いいたします。
用語解説
*PET(陽電子放射断層撮影)検査は、例としてブドウ糖に似た放射性薬剤を用い、集積の違いを画像化します。がんでは糖代謝が亢進している場合があり、薬剤集積として可視化されます。