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2025年の振り返り
2025年12月26日
みなさんこんにちは。社長の横川です。
2025年を振り返り、今年の主な成果と今後についてご説明いたします。
経営の最重要課題となっておりますPPMX-T003とT002の導出については、本日の時点で皆さまにご報告できる進展がなく、引き続き活動を継続しております。真性多血症(PV)領域は大手製薬会社の新薬開発が進められております。しかしながら、これまでもお伝えしておりますようにT003は他剤とは異なる作用機序を有しており、競合優位性があると考えております。
また、T003はアグレッシブNK細胞白血病(ANKL)を対象とした医師主導第Ⅰ/Ⅱ相試験を実施しております。対象が超希少疾患であるため症例登録に時間を要しておりますが、これまでに4例の患者さんの登録がありました。ANKLはとても悪性度が高く、いまだ標準的な治療法が確立されていない血液のがんです。この疾患に対するT003の開発は、非臨床試験においてヒトでの有効性を示唆する結果が得られたことを発端に、血液内科の先生方の強い思いを背景として始まりました。2022年4月からAMEDによる補助金の支援を継続して受けています。医師主導治験は2027年3月まで延長することになりましたが、ANKLのように治療法がなくて苦しんでいる患者さんの選択肢のひとつとなるよう頑張っております。
さらに当社初の抗体薬物複合体(ADC)であるPPMX-T004は、その非臨床試験結果を第84回日本癌学会学術総会で発表しました。数あるT004群の中から選び出されたPPMX-T004 b-PGAP-1は、同じCDH3を標的として先行開発している海外企業のADCと比べ、強い抗腫瘍効果を認めています。すでに薬効と毒性のバランス最適化を進めており、来期にはGMP治験薬の製造準備へ移行することを目指しています。当社の新たな開発候補品として期待をしています。
これからの事業展開に向けたコア・コンピタンスである抗体取得技術では、その活動を加速させる3本の矢として「PPMX抗体ライブラリ2」、「シングルBセルプラットフォーム技術」及び「AIハイブリッド創薬」をご紹介しました。
PPMX抗体ライブラリ2は、検証が終了して現在は創薬支援等での実用化の段階に入りました。あすか製薬社やEurus Therapeutics社との共同研究契約が締結できたことは、第三者からの評価をいただけた結果と考えております。
シングルBセルプラットフォーム技術は、東京都中小企業振興公社の支援を受け2026年3月までの基盤確立を目指し順調に進捗しています。
AIハイブリッド創薬では、その技術確立に向けて今年から東京科学大学との間で機械学習による抗体創薬に関する共同研究を開始しました。同大学 情報理工学院の大上雅史先生の有する計算科学を用いた解析技術を当社のユニークなライブラリと組み合わせることで、目標とする抗体を迅速に選び出すことを目指しています。
このように最先端の抗体取得技術を通じて、アカデミア・事業会社と連携し、in silico・in vitro・in vivoで検証を進め、医薬品向けの高品質抗体を効率的に取得する基盤を強化して行きます。
当社の強みは、やはり『技術力』とそれを支える『研究員』です。これからも抗体基盤技術を強みとした研究開発型バイオベンチャーとしての立ち位置で世界の医療に貢献してまいりたいと考えております。
今年最後になりますが、皆様におかれましては健やかな年末年始をお過ごしください。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。