ペルセウス通信

設立25周年を迎えて

2026年02月02日

みなさんこんにちは。社長の横川です。

早いもので、今年もすでに一カ月が経過しました。このところ寒い日が続いておりますが、日本橋の本社ラボや名古屋ラボでは、研究員がコアとなる抗体基盤技術に、更なる磨きをかけています。

当社は2026年2月1日に設立25周年を迎えることができました。四半世紀という長い道のりを歩んでこられたのは、設立当初からの関係者の皆様、そして2021年の上場以降にご支援いただいている株主の皆様をはじめとする多くのステークホルダーの温かいご支援があってこそです。この場を借りて、改めて深く感謝申し上げます。

当社は、東京大学先端科学技術研究センター・システム生物医学ラボラトリー(LSBM1))の児玉龍彦教授、浜窪隆雄教授(現、LSBM名誉教授)、油谷浩幸教授(現、LSBMシニアリサーチフェロー)らの研究成果を基に、2001年2月に設立されました。これら先生方の研究成果である蛋白質発現・抗体作製技術を基盤として、診断・創薬標的に対する抗体の医療への応用を目指したことが、当社の原点です。
その後、藤田保健衛生大学(現、藤田医科大学)の黒澤良和教授(現、同大名誉教授)との長期にわたる共同研究により、独自のヒト抗体及びラクダ抗体(VHH抗体)ライブラリの画期的な技術を中核技術に加えました。そして、2021年の東京証券取引所マザーズ市場(現、グロース市場)への株式上場を機に、若手研究員の採用を積極的に進め、2023年には手狭となった本社ラボを日本橋に移転し、競合優位性を高めるため研究開発戦力を増強しています。

設立から25年を経た今、私たちを取り巻く事業環境は大きく変化しています。当初はユニークな抗体を取得し非臨床データを整備すると、大手製薬企業に導出できる環境でした。その後、製薬企業は創薬活動の一部をバイオベンチャーに担わせるようになってきました。これはバイオベンチャーにとって大きなビジネスチャンスである一方、ベンチャー間の競争が激化し、臨床試験を自社で実施しパイプラインのPOC2)を示すことが求められるようになってきました。そのため、バイオベンチャーでは資金需要が高まります。海外に比べて国内バイオベンチャーの資金力は弱く、世界の競合と資金力ではなく技術力で優位性を示さなければ、継続的な成長は見込めません。当社の事業は必ずしも順風満帆ではありませんが、今こそ創業時の精神に立ち返り、当社の技術基盤をより強固なものとして、創薬をリードしていく必要があると考えています。

抗体技術の可能性は一層広がっています。当社は企業理念である「最先端の抗体技術で世界の医療に貢献する」のもと、研究開発力の強化と事業の選択と集中を進め、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。上場企業としての責任を果たすべく、透明性ある経営と着実な成長戦略を推進し、この厳しい環境を乗り越えていく所存です。幸い、抗体ライブラリ技術のデジタル化、VHH抗体の実用化、シングルセルなど、従来のウェット実験3)とIn silico4)のハイブリッド化によるAI創薬への方向性が見えてきました。

25周年という節目を、次の四半世紀に向けた新たな出発点として、全社一丸となって邁進してまいります。今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

1) LSBM:Laboratories for Systems Biology and Medicine the University of Tokyo
2) POC:Proof of Conceptとは、新たな発見や概念について実現可能であるかを実証すること
3) ウェット実験とは、細胞、微生物、組織、DNA、化学薬品などを使い、試験管や実験台上で生物学的・化学的な解析を行う実験プロセス
4) In silico(イン・シリコ)とは、コンピュータによるシミュレーションやデータ解析を用いて、生物学・医学研究や創薬を行う手法