ペルセウス通信

VHH抗体ライブラリを用いた抗体スクリーニング・作製について

2025年05月09日

みなさんこんにちは。社長の横川です。
当社はこのたび抗体研究支援の一環として、VHH(Variable domain of Heavy chain of Heavy chain)抗体ライブラリを用いた抗体スクリーニング・作製サービスの提供を開始しました。

ラクダ科の動物(ラクダ、ラマ、アルパカなど)の血液には、私たちヒトを含む多くの哺乳類がもつ従来の抗体(二つの重鎖と二つの軽鎖から成る)に加えて、重鎖のみから構成される特殊な抗体があります。この特殊な抗体の抗原結合部位であるVHHは、ヒトの抗体と比べて分子量が小さく、熱に強いという特性があり、用途に応じて複数のVHHを繋げたり、新しい機能をもたせたりと加工しやすい抗体として近年注目を集めています。このため、医薬品だけでなく、研究用試薬や工業製品等の分野において幅広い用途への活用が期待されます。2022年には、日本でも新しいリウマチの治療薬として初めてのVHH抗体が承認されています。

ラクダ科の中でもヒトコブラクダはアルパカやラマと比べてVHHの割合が高く、抗体の設計図であるV(可変)遺伝子の数も高いという特長を持っています。当社は20頭以上のラクダから独自の技術でVHH抗体ライブラリを作製し、これに当社のスクリーニング技術を組み合わせることで、良質な抗体を効率的に取得できるVHH抗体取得プラットフォームを構築しました。

このプラットフォームを当社の創薬事業のみならず、アカデミアや企業の研究開発を支援するサービスとして提供していきます。

当社は今後も、独自の技術を活かして様々な抗体研究支援サービスを展開してまいります。皆様には引き続き当社へのご理解・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。